「ハムレット」創作ノート 1

「ハムレット」の舞台
 
舞台上にハムレットひとり そして他には死と死の周りに彷徨う影たち
父の亡霊、友人たち、母ガートルード、父の死後に王となった叔父クロ
ーディアス、恋人オフィーリア
暗闇はハムレットの頭脳の中で死する暗い空間
そこは闇が支配し 光がほとんど届かない息苦しさが支配 
喜びが与えてくれる光が届かない思いの深い底
決定的に刺す細く強い光が意思 
その強固さゆえに 自身の命と死とを互いの支えにして格闘する。
父の死への復讐が成就しなければハムレットの精神と身体が休まることはない。
父こそハムレットをささつづけた血。
ハムレットの死が運命的であり 復讐が宿命だった。
宿命によって正しく死を獲得するのである。
穏やかな空気の緩みのようにハムレットの血の細い流れが死を全身に行き渡らせる。
 
死に向かう時
平穏がハムレットを包み込む
生まれた時のような命の温もりを
死が与えてくれる
 
勅使川原三郎

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