2019年4月10日

 
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佐東利穂子の初の創作「泉」の開演がせまってきました。これが初
作品というのが意外と思われる方がいるかもしれません。ダンサー
としての彼女をいまさら説明する必要がないほど素晴らしい経歴を
もっているのですが、「泉」によってダンスの作家としての佐東利
穂子を初めて見ることになります。
 
異常な強度を有するダンサー、身体と頭脳、精神と意思とを基盤に
した創作は作品を作ることで完結するものではありません。いつま
でも連なりうる生命の流れのように佐東利穂子の思想は、身体化し
空間化するでしょう。
 
彼女のダンスへの熱意は比較する対象者はいません。いやそれ以上
に身体の深部に確立した謙虚なる探究心、そして神秘の領域まで拡
がる身体想像力、それらが今新たに結集して、かつてない結晶が密
やかに、まさに彼女らしく、湧き上がるでしょう。
 
その日は明後日、そしてその後の全8回公演。どうぞ、ご期待くだ
さり、ご来場くださいますよう、私は強く願っています。
 
                        勅使川原三郎
 
                      [メールマガジンNo.1313より]

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