Works / 活動紹介

アップデイトダンス
No.60 − No.56

No.60 「平均律」

日程 2019年3月1日−9日(8回公演)
出演 勅使川原三郎 佐東利穂子
 
『平均律』
バッハのピアノ曲「平均律クラヴィーア曲集」の壮大な曲目の中から
ダンスのために15曲を抜粋しました。ピアノの純粋音楽が私たちを
様々な境地に導き、澄んだ何かと溶け合う。くっきりした謎、
きらめく音の結晶は身体をダンスにします。喜び。 
 
 
 
No.59 「白痴」

日程 2019年2月14日−22日(8回公演)
出演 勅使川原三郎 佐東利穂子
 
『白痴』
ドストエフスキーの「白痴」から変容したダンス作品「白痴」は、人間の内深くに
照射する光によって見える困惑する生の実体である。そこにある静けさは
生のふるえ、あるいは冬の凍てついた大地にのぼる一筋の煙。  
 
 
 
No.58 「ハリー」

小説『ソラリス』より 
日程 2019年1月28日−2月5日(8回公演)
出演 佐東利穂子 
 
『ハリー』小説「ソラリス」より
佐東利穂子のそろ「ハリー」はポーランドの小説家レムの「ソラリス」
を基に、夫に殺された妻の復活、死と生を超越する死者の再生、
二度は死ねない妻の苦悩、愛は何を解決できるか?セリフが身体から
剥がされ奪われたダンス生命体ー佐東利穂子の宇宙的極限。
 
 
 
No.57 「冬に咲く花」 

日程 2019年1月5日−13日(8回公演)
出演 佐東利穂子 勅使川原三郎 
 
『冬に咲く花』
つぼみが冬、新たな息をしはじめ花になる、堅い地面の厳しさが澄んだ
動きを生む。硬い冬だからこそ生まれる柔らかな命。冬を生きることこそ
美ではないか、命が危うい季節、その美を通過する様こそダンスではないか。
厳しい冬、澄んだ軽やかさが成長する生命、新春。花を巡る。
 
 
 
No.56 「黒旗」

日程 2019年12月13日−21日(8回公演)
出演 勅使川原三郎 
 
『黒旗 中原中也』
「ある朝 僕は 空の中に 黒い旗が はためくを 見た…音は きこえ
ぬ 高きが ゆえに」否ノイズ風マーチだかパンクロックが聴こえるぞ
悲しい寂しいと悔やみ嘆いた青い男の調子っぱずれのヴォーカルだ
月刺し黒い胸 空っぽの青ざめたカラダ堕ちる 詩に命を喰われた男

 

 

ギャラリー
レビュー(抜粋)
No.56「黒旗」
「中也の身体、詩の間に入り込む」
中原中也が、自分自身を詩人と言いながら書いている詩を、
勅使川原三郎は「僕は」という距離で黒い旗に向かい体感して踊っている。
中原中也の身体と詩の間に入り込んで詩のモチーフに向かう。
踊りは中原中也の詩そのものでありながら、圧倒的に勅使川原三郎の存在そのものになっている。
勅使川原三郎は、弱音を吐き続けたような言葉から中原中也の自身を鼓舞する力を音とリズムとして感じ取っている。それが勅使川原三郎の中原中也を読むという行為だ。
境界を前にして、勅使川原は自らを鼓舞し続ける。ボーダーの向こうにあるのは、死の世界なのか、
自分自身の闇なにか、いや解釈はいらないだろう。黒いものを前にして鼓舞し乱舞する勅使川原三郎の身体と意志を受けとめれば良い。枯れることと無縁の身体と精神をその時のテーマに投入して踊りにする勅使川原三郎は、今、一つの境地に至っている。
ー今野裕一 氏(演劇評論家)
公明新聞 2019 年1月4日