Works / 活動紹介

何処から誰が

大分県国東半島にある並石ダムの湖のほとりに設置された、ガラスでできたインスタレーション
「月の木」と「光の水滴」。満月の夜、星空に囲まれた大自然の中で、
そのインスタレーションと共に野外パフォーマンスを行いました。
国東半島の僧侶たちによる「声明」も加わり、幻想的な世界が繰り広げられました。
 
構成・振付・美術・照明:勅使川原三郎
出演:勅使川原三郎、佐東利穂子、鰐川枝里、加藤梨花
照明技術:清水裕樹(ハロ)
音響技術:三森啓弘(サウンドマン)
初演:2014年11月8日 並石ダムグリーンランド(国東半島芸術祭 )
日が沈むとき 反対側にはすで闇がすべてをのみこもうと近づく
冷たい水面にもっと冷たい息を吹きかけるように姿勢を低くして
それよりももっと姿勢を低くして山はじっとしている
もっと低い水辺近くにお坊さんが歩いてくる 息を吐きながら 声を交えて
 
闇を吸いながら姿を影に変えながら消息を失くした者たちが
揺れる 溶ける 消えるように現れる 現れるように消える
ここでは水と月が交差しているのみが確か
あとはみんな 影 月の影 水の闇
風が古い呼吸を運んできては 新たな呼吸が行き止まり
死んでいようと生きていようと
大丈夫ですかとだれかの声がする
大丈夫ですよとだれかの声がする
あっそうとだれか
闇が流れ出した水面に まだ眠れない水が 風の音を聴いている 
                       勅使川原三郎
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