Works / 活動紹介

ランボー詩集
ー地獄の季節からイリュミナシオンへー

芸劇dance 勅使川原三郎 新作ダンス公演
ランボー詩集 ー「地獄の季節」から「イリュミナシオン」へー
 
振付/演出/美術・照明・衣装デザイン/音楽構成:勅使川原三郎
アーティスティック・コラボレーター:佐東利穂子
出演:勅使川原三郎
   佐東利穂子
   アレクサンドル・リアブコ(ハンブルク・バレエ団)
   ハビエル・アラ・サウコ
 
舞台監督:金子芳弘(ニケステージワークス) 
照明技術:清水裕樹(ハロ) 
音響技術:大橋正幸(Orfeo)
装置製作:野村真紀(東宝舞台) 
衣装製作:武田園子(veronique)  
衣装ケア:近藤陽子、三木松江
 
パンフレット写真:三浦麻旅子 
協力:横井亜紀子(中野文様研究所)、加藤智子
 
主催 有限会社カラス 企画制作 KARAS
共催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
助成 文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(創造団体支援))
   独立行政法人日本芸術文化振興会
「ランボー詩集」と共に            勅使川原三郎
詩をダンスにすることがこの作品の目的ではなくランボーという
一人の人間が、発した知性と混乱が輝く音声による楽曲やノイズ
に定着したり反射する振動のダンスを目指しました。
20歳の数ヶ月前の私が、詩に出会った衝撃は50年後の今、
微細な振動に変容していますが、しかし身体が受けた鮮明な
衝動は継続的に立ち現れます。断続する継続性という風に。
私にとっては期待であり、驚き、悲しみ、喜び、虚無、永遠、
限界などです。時間の経過が存在しない若き展望と共に、老生
した水々しい渇き、遠方への期待、見知らぬ罪を飲みこみました。
ダンサーの存在と動きは独立した運動性と調和と破壊と不協和、
いごこちの悪さによって構成されます。孤立運動体、ミュート
とブラインド、無空間、不在、私は詩に触れ、詩を飲みこむ。
詩は身体に成り、音楽に成る。ようやくダンスに到達する。
私のダンスへの道程は、遠まわりをするほどダンスが近くなる。
数日前の稽古をしていて感じたことがあります。
目の前にある見えない垂直線は精神、交差する水平線は永遠
という限界、その手前に浮かぶ身体。それが地面に降りると
同時に動き始める、無限の動きが始まる。自分から止めなければ、
限界を生きよ。永遠に生きよ。永遠の限界を生きるのだ。
ランボーの生きた限界。その時代から断絶した平面の光と影の
境で、我々は精一杯勝手に身体を遊ばせる。
限界という無限性から聴こえてくる呼吸、足音、音楽、ノイズ。
ああ、なんと無意味とは!
ああ、なんと意味とは!
ランボーが言った「私は他人だ」と。
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