Works / 活動紹介

ダブル・サイレンスー沈黙の分身

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振付/美術/照明/衣装/選曲:勅使川原三郎

出演:勅使川原三郎、佐東利穂子、鰐川枝里、加見理一、高木花文、ジイフ、塩谷南、杉下せり、田切眞純美、山本奈々、林誠太郎
初演:2009年3月21日 Bunkamura シアターコクーン

主催:Bunkamura

上演時間:70分

心臓の鼓動はリズムを打ち鳴らし

        血管に流れる旋律は頭骨をめぐり
呼吸は様々な強度の風を吹かせる

        無音は体内の絶対ノイズにかき消される

乱れた音響身体が作ろうとする沈黙の中

        多重に揺れる体内の分身は内側にうごめき

        私と分身は私を生きる

人間が生まれ、言葉や音を作り

        聴こえなくなったものがあるだろう!

        見えなくなったものがあるだろう!

沈黙が身体内に湧き立つ!

        在らぬ事を自分のものにするのだ!
沈黙の叫び!沈黙して殴り倒せ!

        宇宙なんか、叩き潰せ!

なんてこうるさい古びた宇宙!

- 勅使川原三郎
ギャラリー
レビュー(抜粋)
「無音探求 暗い緊張感」読売新聞 2009年3月24日 立木燁子氏(舞踊評論家)
 新作「ダブル・サイレンス」では、音と沈黙、無音という主題を独自の視点から類級している。沈黙を身体的に捉え、沈黙や無音のなかに命や存在の証しを逆説的に浮上させる。
。。。無音の探求は、人間の知覚領域を超えて、詩的で思索的な広がりへと飛翔する。
。。。暗い緊迫感に充ちた舞台は、鋭い芸術的感性が感じとった時代のリアリティと言えよう。
「柔らかい緩急の波」朝日新聞 2009年3月27日 佐々木涼子氏(舞踊評論家)
勅使川原三郎の新作「ダブル・サイレンス」は沈黙と分身の意味を多重的に探る、先鋭的な感覚の冒険である。
。。。中盤の勅使川原のソロが特に感銘が深い。鋭いさえの中にもふしぎな浮遊間と軽みがあって、緩急の波が柔らかくつややかだ。分身を生み出した後の、新たに熟成した沈黙に期待したい。