今晩現地では公演が行われ、作品はイタリア初演を迎えます。2020年に活動拠点であるカラス アパラタスで初演し、2022年ルーマニアで欧州初演した本作。国内外で上演し続けています。
過去の上演のレビューをご紹介します。
「Ophelia」
振付, 照明, 衣装 勅使川原三郎
アーティスティック コラボレーター 佐東利穂子
ダンス 佐東利穂子, 勅使川原三郎
[劇場] Teatro Ponchielli Opera House
[日程] 2024年4月19日
*Teatro Ponchielli Opera House『Ophelia』公演ページ
佐東利穂子は、さらに踊りの域を深めたと思った。(中略)それがここ数年、ひとりの女性としての感情 を交える踊りを見せ始めている。そして今回の「オフィーリア」で は、愛を失い、精神を患う女性を描いていた。それを表情で表すので も、激しい踊りで狂ったように踊るのでもなく、さらさらとスパイラ ルを描きながら踊る。ハムレット役の勅使川原は影のように現れては 消える。オフィーリアの顔を自分の方に向けさせたその瞬間、女は恋 に落ち、葛藤の中に埋もれていく。それと同時に見つけた永遠の愛の 中で浮遊するような、そんな印象を得た。木漏れ日の中で遠くを見つ め、愛に包まれた幸運の死を受け入れているようだった。
ー川北真澄氏 ユーロ・ダンス・インプレッション(2020年2月)/株式会社エー・アイ
自分を見ない男に向けたまっすぐな愛が狂気に突き抜けていく。花嫁のものであるはずのレースをまとい踊る場面、むしろ暴走するエネルギーの化身として人としての形を失いかける瞬間に息を飲んだ。勅使川原と佐東が創造する、決して「流される」存在ではないオフィーリア。ー森岡実穂氏(中央大学教授 オペラ演出研究)
溺死した川が照明、虫などの声で表現され、生と死の境界線を彷徨うオフィーリアの混乱した精神風景が夢幻世界の中で描かれる。ー森 菜穂美氏(ライター)
佐東利穂子が、シェイクスピアの戯曲にはないオフィーリアの内面の奔出を踊る。これは水死体となった彼女が見る夢か。ライトを背にした勅使川原三郎のエッジーなソロも見もの。ー高橋彩子氏(舞踊・演劇ライター)
勅使川原がハムレットを踊り、シェイクスピアの世界を豊かに膨らませた。「水」の滴る音が印象深く、白いレースの衣裳を身に包んだ佐東は妖美で生と死の気配を濃密に漂わす。馬車の音や雷鳴等が舞台に立体感と奥行きをもたらした。ー高橋森彦氏(舞踊評論家)
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