アップデイトダンスNo.97「月の砂漠」
いよいよ今週9/1(金)より公演!

勅使川原三郎と佐東利穂子のコメントをお届けします
 

—アパラタスが10周年を迎えました
勅使川原 十年の間にとても多くの新作を作ってきましたが、
これが最新作として、新たな出発として私はこの「月の砂漠」を作ることになりました。
 
—今度の新作はどの様な作品となるのでしょうか?
勅使川原 「月の砂漠」というタイトルで、「月」むしろ月がない空。人、あるいは自然が生き、生命を持ってそこに生息する。厳しい状況にあるこの現代ですが、例えばそれは砂漠という言い方で置き換えてもいいかもしれません。無月の砂漠、 月の砂漠。それは至るところにあるようなあるいはどこにもないような、内面的でそして宇宙的でもある、そんな様な抽象的であり具体的なイメージを持った作品になると思います。
 
―これまでにも月をテーマに創作された作品が多くありますが、勅使川原さんにとって月とはどの様なものなのでしょうか?
勅使川原 私にとって月はとても不可思議で、そして内面的なものを持っている、特別な力を持っているものです。その力とは、人間の影にあるような力です。ささやかな、弱々しくも、そして内的に深いものを持っている、それを月と象徴するならば、その下にある地球、むしろある比喩で言うなら、砂漠。虚しくも、そしてそこにある種の不可能性と可能性が交互にやってくるような、困難な生でありますが、私たちの生がその月によって支配されていると言い換えてもいいかもしれません。太陽や緑や水や、そういう恵と言われるようなものから、逆に月、あるいは影、あるいは水銀の液のような非生命的なものも私にとって生きる上でとても大事なものです。その詩的世界をこのダンス作品に込めたいと思っています。
どうぞご来場ください。新たな出発として、とても大事な作品になると予感しています。
  

 
―アパラタスが10周年を迎えました
今年はアパラタスを初めてから十年目になります。
今週の金曜日から、十周年記念公演を行ないます。「月の砂漠」というタイトルの新作です。
それと同時に、十年目ということで、いろいろ特別な企画を今年の頭から行っています。
特別ワークショップという形で日本に居る時にできるだけ勅使川原さんも私もワークショップを開講しています。そして、今回のアップデートダンスが97作目、No.97です。
今年中にNo.100まで行く予定です。実にめでたい年であります。
アパラタスは私たちにとってはとても大切な場所で、ここで初めて行ったことがいっぱいあります。一つの作品を8回公演すること。アップデイトという風に呼んだのも、その様に一つの作品が日々成長して行くという事を皆さんに見ていただきたいと思って始めました。それから、公演が終わった後、すぐマイクを持ってトークをするというのもここで初めて始めました。いかに上手に話すかではなく、終わった後のそのままの気持ちであったり、思いをお話しするということで毎回行っています。
そして、その後に皆さんと直接ご挨拶してお話しするということも毎回行っています。これによって多くの人との出会いがありました。今までそのような機会がなかったのでとても嬉しく思っています。この場所で、また新たな出会いを続けていける様、頑張りたいと思いますので皆さんもぜひお越しください。お待ちしています。
 
アップデイトダンスNo.97「月の砂漠」
演出 照明 勅使川原三郎
出演 勅使川原三郎 佐東利穂子
 
〈劇場〉カラスアパラタス B2ホール
〈公演日程〉2023年9月1日(金)ー10日(日) *全8回公演
ご予約フォーム https://www.st-karas.com/reservation2/

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