2018年12月17日

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新作「黒旗 中原中也」は、本日から後半4回公演が始まります。
この稀有な才能溢れる詩人は、「人間以前に詩人である」私は
この考えを基に創作し踊っています。
 
「寂しい」や「悲しい」を連発し「望み」を失っては詩を書いた
男は、自らを神から選ばれた詩人と自らを鼓舞しつづけた。
そこに強靭な精神を私は見ます。「諦め」という言葉さえ詩作の
動力にしてロックのような独特のリズムやノイズをかき鳴らした。
中原中也の詩に高い音楽性をなぜ私は聴こえるのだろう?
言葉が身体を持っていて、動く身体のような言葉が見えます。
表された情感、感情の起伏から私が受け取るのは、現象としての
物を正確にデッサンするような的確な描写力です。まるで優れた
演奏家のような音を聴き分け、音を創出する高い技術を彼の詩の
中に聴きます。感情の直観的な表現ではない厳格さを感じます。
モダニズムやシュルリアリズムの影響のみならず、バロック音楽
やロックのアタックやスピード感にも通じる高度な純度がある。
それは古典的完成度を持ち、時代を超えた言葉の力を私は感じます。
勅使川原三郎
                        2018/12/17
                    [メールマガジンNo.1202より]

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