明日は「月に憑かれたピエロ」と「ロスト イン ダンス」の3日目最終公演で
す。初日から2日目と2つの新作は経験を積み、的確な修正も加えてより良い
作品になっていると実感しています。第一部の「ロスト イン ダンス」は正に
純粋ダンスです。踊りこむことによって作品は公演毎に成長するものですが、
特に佐東利穂子のダンスは音楽に動きを合わせるのではなく、彼女の体内から
音楽が湧き出るが如く様々な質感の変化と制御によってダンスそのものが体外
へ放射されるようです。昨日は彼女のダンスに比喩や暗喩はいらないと書きま
したが、やはり以上のことが申せると思います。これは私のダンスメソッドが
成せる技だと言えるのですが、技と言っても通常の意味以上に内生からの強化
され制御されたダンス技術です。これは一朝一夕には不可能な高度なレベルに
おいて、ダンスの可能性と価値を高める基礎があってのことです。
つづく「月に憑かれたピエロ」は、前作と世界観が異なる作品と言えますが、
語るように歌うこの曲独特の歌唱法の名手プスールさんは圧巻です。私たち
ダンサーは奇妙で美しい詩と楽曲と共に明暗の無数の変化、主に強烈な間接光
による闇に向かって終焉へと故郷へと盲目的に向かいます。色彩と音調と質感
とが尽きることのないENDへ、死のない永遠の生の恐怖へ、素朴な匂いに導
かれて、、、
道化はさまよい辿り着きます。
どうぞご来場ください。
勅使川原三郎
2018/12/3
[メールマガジンNo.1191より]
最近のコメント
アーカイブ
カテゴリー
メタ情報