2017年6月5日

昨日 世田谷パブリックシアターで行われた「アブソルートゼロ」公演の
4日目最終日でした。

お知らせしましたようにほぼ20年ぶりの再演でしたが、
再演というより新作と言ってよいほど新鮮に改善され成長した作品に
なったと私は考えています。厳密な計算によって準備した事と実際に
踊って初めて分かる事の両方の力によって、作品はより深く大きな
呼吸をするように活き活きと毎日の公演は生まれかわりました。
一つ一つの場面を丁寧にスタッフと協議して、
リハーサルを重ねることによって実現しました。
常にそうであるのですが、私側のスタッフと劇場スタッフが各分野、
照明、音響、舞台美術、舞台設営、舞台監督、公演制作スタッフ、
広報スタッフ、みなさん無しでは今回のアブソルートゼロ」の再生は
不可能でした。ありがとうございました。
そして、劇場には多くの観客の方々がご来場いただきました。
ありがとうございました。
それぞれ立場の異なるみなさんの作品に向けられた力が、私と佐東利穂子
を後押ししてくださり、私たちは日々生まれかわるように
作品を踊りました。
それは作品の中に新たに生きることでした。
ひとつの公演をやり遂げ終了することが次の公演に生きることを可能に
させてくれるのを強く実感する日々でありました。
そして今私が感じることは一つ一つの公演の大切さです。
大きな拍手や歓声を得た作品に生きる為には一瞬たりとも気が抜けません。
一瞬も気の抜けない仕事、全身の集中を高める
仕事ができる私は幸せ者です。
 
私たちは、明日パリに行きます。
パリオペラ座バレエ団への振付作品の準備の為です。
秋に世界初演する新作の出演者選定ワークショップ、装置美術、
衣装などの打ち合わせをする3日間の短期滞在ですが
充実した準備をしてきます。
帰国後は「ペトルーシュカ」の初演に飛び込むというわけです。
 
もう一度、みなさんどうもありがとうございました。                           勅使川原三郎
                       [メールマガジンNo.805より]

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