2017年6月28日

1071-1
メルマガ用580×330
メルマガ用580×330
 
「静か」の3日目の公演です。
過去アパラタスで創作初演した「静か」はシアターXで再演し、
再びアパラタスで公演しています。
 
私と佐東利穂子は、この作品から多くを学び成長していると思います。
それはダンスのことだけではなく、様々なことと接する機会でもあります。
音がない、「無音」は音が無いのではなく、逆に音への注意深さが増し
聴こえる世界が広がることでもあるのです。
同時に「見る」ことがより鮮明になり、より細やかな動き(位置移動も)が
拡大されるようになります。様々な感覚はより具体的に実感を重ねます。
重ねるとは、時間と身体が密に触れ合うことの実感です。
皮膚感覚が鋭敏になり、より鮮明な知覚が得られるのです。
不思議なことは一切無く、全ては事実として進行する経過を
活き活きと感じられるのです。
 
「静か」は無音を利用して踊るのではなく、踊る、動くことによって
無音を生じさせるのです。微かに静かに湧き上がる無音、或は沈黙。
数えることができない湧き上がる流れ、晴天に現れる雲、消えていく雲、
刻々動き、形を変える消え行く物、
物であり命と深く関わりを有する動き、姿、現れる姿、消え行く姿。 勅使川原三郎
                       [メールマガジンNo.828より]

パーマリンク