2017年11月19日

新作「顔 Faces」の初日は、今までに経験したことがない領域に
足を踏み入れたという実感が強くあります。
新しいとか新鮮というのではない確かな実感です。
これは準備して作った私自身が公演から受けたことです。
佐東利穂子のパフォーマンスは、確かにこれまでにない
身体表現でした。しかし彼女自身がその場、つまりステージで
経験した数限りない身体的葛藤には、ある境界線を超える
強烈な力が宿っていました。
振付ということは遥か以前にあとにしているわけですが、
彼女が発した声を含めた身体全身とその内側の格闘は
切実なダンスでした。
佐東利穂子が確かな一歩を踏み出した大切な初日公演に接して、
私は感じたことがない喜びを感じています。
2日目の「顔 Faces」にどうぞご来場ください。                       
                         勅使川原三郎
                       [メールマガジンNo.962より]

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