今日は、アップデートダンス#38
「牧神の午後」の最終日です。
初日から昨日までの一週間は短く感じられました。
7回の公演には、それぞれの振動があり実に豊かな経験でした。
ドビュッシーの音楽は聴けば聴くほど魅力的で面白く、
言いかえれば、踊りを紡ぐようにふたつの身体は音楽によって
無色多彩に編まれました。
律動する動きと衝動から生まれる動きの重なり合い。
発生と消滅を多層化した縦糸と横糸に激しく消滅しつづける
曲線糸を加えた涌き上がるうねり。湿気を帯びた匂いの広がり。
この「時」に彩色をマラルメとドビュッシーに依頼した私たちは
踊ったというより、ダンスを生きたと言ってよいのではないか
と思います。ダンスをダンスしたと。
どうか言葉遊びをしていると受け取らないでいただきたい。
踊ればダンスだではなく、ダンスをしっかりと踊りたいのです。
ダンスが単に作品の為にあるのではなく、
生を精一杯に生きたいということです。
この作品が生まれたのは、その為であったのだと、
今私たちは考えています。
2016/8/18 勅使川原三郎
[メールマガジンNo.531より]
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