2016年6月9日

No.35_1MB
 
昨日は、アップデートダンス #35「トリスタンとイゾルデ」の
初日でした。ワーグナー作曲の本来のオペラ上演は
4時間におよぶ大作ですが、私たちはダンスとして1時間にまとめました。
圧倒的で壮大音楽、そして驚異的な歌唱に魅せられてはいますが、
原作にある不可能な愛、死、人間への郷愁という禁句の刻印を
全身に焼き付けられた感覚を否定できません。
「愛の死」に身も心も奪われて引きこまれてしまう悲劇的陶酔感であり、
無限循環という死と生の理想をダンスにしたいと強く願ってもいました。
つまり私にとりまして、死と生の無限循環こそダンスの理想なのです。
その実現の機会をありがたく感じた今日の初演初日でありました。
今作でも佐東利穂子が格別のダンスをしています。どうぞご来場ください。 
                     2016/6/9 勅使川原三郎
                         [メールマガジンNo.436より]

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