2016年5月6日

 
新作「シナモン」と再演「静か」は、両国のシアターXで
合計8回公演を無事終えました。
 
私たちは、とても有意義な舞台経験をしたと実感しています。
長年、創作と公演をつづけてきましたが、
今回の2作品は特別な意味があるように思います。
荻窪のアパラタスでつづけているアップデートダンスシリーズは33
を数えますが、あれらの連続公演を活動基盤にしたことによって、
一言では言えない様々なことを学びつづけています。
言い尽くせないことでも言葉にしようとすること、
日々の積み重ねというような当たり前が当たり前として
特別であること、つづけること、
結果のないものへの好奇心、等々。
 
「シナモン」と「静か」は、私たちが踊った数多くの重要な作品群から
育まれた栄養素が成長した期間限定の集大成と言ってもよいと思います。
技術的にもとても重要な発見がありました。
私の創作は考えることから生まれますが、そこには常に身体があります。
また来るべきものを予兆することが、私にとって準備運動として不可欠で、
それには最大級の好意的力量(ポジティヴ エネルギー)が必要です。
 
重力と浮力、操り操られながら 永遠の真ん中で移動しつづける 
不可思議な領域へ全力で突入する そこではあらゆるものを呼吸する 
なんでも吸い込み吐き出す 物でも人でも自然も時間も匂いも夢や懐疑も
終りも始まりのない身体から身体へ 
ここからここへ 手から手へ 無から無へ
どこに終りがあるのかまだわからない
 
今回はご支援、ご来場ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。

                                 
勅使川原三郎 2016・5・6
[メールマガジンNo.399より]

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