2016年5月4日

メルマガ用580×330
                         photo by TheaterX/ 三村正次

「静か」3日目へ
 
昨日は2日目の公演でした。
私たちのダンスは、その時その場で感じ取る最善の身体的選択
が動きになり、連なりを成し、その微細に連なる制御がダンス
を生み出します。喩えや形式の反復ではないダイナミズムが、
随時起こるようにするのです。明解で強い決意によって。
「静か」はまさにそのダンス法が純粋に構成されることによって
成り立っています。
近頃、以前よりも明らかに感じることがあります。
無音とは実に豊かな空間を湧き上がらせるという実感です。
そして多く方々から耳にし、私たち自身も感じていることですが、
音楽がその空間にあるように、身体の動きによって生み出される
無音の音楽です。緊張感を遥かに超えた沈黙の自由な広がりが、
舞台いや劇場を拡張させ、時間感覚を異なる質に変え、
伸び伸びした世界を体現するようです。
初日同様に昨日も、観客とつくりだした沈黙が
劇場内にある種の解放感を漂わせました。軽やかに。
本日3日目、新たな沈黙に向かいます。よろしくお願いします。 
                   2016.5.4 勅使川原三郎
                    [メールマガジンNo.396より]

パーマリンク