「春と修羅 宮沢賢治の詩世界」
~空気を喰う 宇宙を呼吸する~
私が宮沢賢治から受けた影響は小さくなく少なくありません。
これまで私は賢治世界のさまざまなものを
吸い込み吐き出してきたようです。
言葉やイメージは勿論、自然や時空について考える
新たな機会をつくってくれました。
「春と修羅」という大変なテーマをあげてしまった今、
私は身ぶるいがする思いです。
しかし賢治の詩から勇気も学んだ身としては、気弱な身ぶるいを
空気が含む振動と共に無数の多重振動をダンスに
変換作業をする時期ではないかと私は考えました。
賢治の詩の言葉が物理学的であるせいで夢にはならないでしょうが、
妄想や幻覚と時に激しく摩擦し交錯する楽しさや恐さ、
苦しみや解放を経験するのだろうと予測しています。
2016-5-10 勅使川原三郎
[メールマガジンNo.404より]