2016年4月12日

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昨日からアップデートダンス33「もう一回」が始まりました。
初日は私のソロでした。
延々とつづくショスタコービッチのワルツの持続、「終らない踊り」、
私はこれがダンスの1つの基本だと考えます。ダンスの力、
踊りつづける力、終りを予期しない生命の持続、
決して他の表現にはない、ダンスにしかないいつまでもつづく力を
ぼくは大事にしたいのです。そこに音楽があるのですが、
いつの間にか聴こえていた音楽が聴こえなくなり、身体の動きのみが
純粋に活き活きと独立し始める。
その持続力はダンスそのものの魅力だとぼくは信じます。
とどめられない、押し止められない勢いに圧倒されながら、むしろそこに
終らない恐ろしささえ迫り来る、予期せぬものとの出会いが
ダンスの中にありました。なんのメッセージもない純粋なダンスの持続、
と言えると思います。私は命と向き合いながら踊っていました。
これは私の実感です。
この作品「もう一回」は、私たちにとって大切な作品になると感じています。
まだ初日を終えたばかりですが、これからの7回公演でいままでない
経験をするでしょう。それは際どく、価値の未だ定まらない仕事かも
知れません、しかし私は考えます、とても大事だと。
どうぞ、生まれたての「もう一回」をよろしくお願いします。
 
              2016・4・12  勅使川原三郎

      

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