2016年12月18日

861
859
860
857
昨日は「白痴」4日目でした。今日は5日目最終日です。
4回の公演を終えて、この作品が確かな質をもっていると
感じています。ダンス作品という枠にとどまらず、
身体と照明と音楽が一体となって創作された表現と言えます。
原作のドストエフスキーの物語が空間表現として新たな生命を
得たと言えば、確かに無理があるかもしれません。しかし、
全体の構成をした私は丁寧に、ある意味で原作に忠実に表された
創作であると言ってよいのではないかと考えています。
ドストエフスキー原作からの変容です。
当然、日本人である私の表現が日本人の観客に見られたことは、
ロシア人には何も関係を持たないことかもしれませんが、
無意味だとは言えないのではないでしょうか。
国、民族、文化、原語、時代、表現方法、場所、、など
様々な違いの上に、この私が創作した「白痴」は
今立ち上がったと言いたいのです。
今、誕生した新たな「白痴」が将来、ヨーロッパで上演され、
それからロシアでも上演されるのを、私は強く願っています。                  2016/12/18 勅使川原三郎 
                   [メールマガジンNo.666より]

パーマリンク