次のアップデートダンスは1月16日から始まる「青い目の男」。
ブルーノ シュルツ原作の短編「夢の共和国」から生まれたシアターXで
初演した創作です。
その内容は私自身の心情や思考と重なります。それは夢想であり現実的
な構想でもある。荻窪の小劇場空間アパラタスこそが、原作に描かれて
いる空間だと錯覚するほど、私たちの活動精神と重なるのです。
少年時の夢想、原作の基調となる妄想は蘇らせます、私自身の少年時の
細い脚の膝小僧のように微かに震えながら地面を踏ん張って駆け出そう
とする頼りない歩調を。いくら力を込めて踏ん張って立とうとしても、
地面からすこしだけ浮かんでしまう。そんな無力感、言いかえれば浮遊
感から芸術が生まれるのを感じるのも私自身でした。密やかな気持ちが
遥かなる遠方へ飛ぶ。
荻窪の「夢の共和国」アパラタスが、地下2階から外に出て空高く浮か
ぶほどの静かで強い精神、今。
2016/1/14 勅使川原三郎
[メールマガジンNo.280より]