2015年12月11日

 
ゴドー
 
昨日は、両国のシアターXでの「ゴドーを待ちながら」の初日で
した。とても充実した公演になりました。3日前まで上演していた
「ある晴れた日に」とは異なる既存の原作を基調にした作品で、私
独自の「ゴドー」です。
私自身の語りを全編に構成し発せられた言葉群は、活き活きとした
舞台の出現を目指しました。言語の独自の質と流れを持続すること
が必要と考えて、発音や語調は俳優のような演劇的発声や標準語風
の言葉使いを避けました。浮浪者である登場人物に堅苦しくない軽
さを与えました。
内容の詳細は見てのお楽しみというわけですが、既製品のようなベ
ケット観に興味がない私は独自で自由な精神で原作からぐいぐいと
離れて行きました。ある方からベケットというよりあなたの創作で
すね、という趣旨のことを言っていただき、私は勇気づけられまし
た。他にも様々な言葉を多くの方々からかけていただきました。あ
りがたいことです。
初演は荻窪にある私たちの拠点アパラタスにおいてでしたが、劇場
空間の異なることも再演における重要な要素です。初演時とはかな
り異なる空間構成を作りました。共演の佐東利穂子のいつもと違う
存在にも注目あれ。
今日を含めて、あと4回の公演です、こちらシアターXでもアップ
デートします。 

                       2015/12/11 勅使川原三郎
                          [メールマガジンNo.260より]

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