カラス アパラタスが、2013年7月にオープンして丸8年が過ぎまし
た。だからなんだということなのですが、急ぎ足で歩んでいるつもりで、
全力で走っていたつもりでも1日1週1ヶ月1年は、実にゆっくりとしか
進みません。あっという間の8年とはいかなかったと言えます。いわゆ
る夢の中の超スローモーションの全力疾走でした。しかしその体感は、
大充実の日々だったことを意味します。公演数や創作の数は、たくさん
たくさんやりましたね、そう、もう数えるのがめんどくさいというわけ
です。
ところで、アパラタスの地下2階から地上に出てみると、ここ数年、
世界が奇妙な形に歪んで、特に近頃は歪み方がひどく、明言を避ける
ゆえの歪みが加速しているようです。どこへ向かい何を目指すか、ど
こを見て何を語らい、何をする、何を結論とするか、現存する人間が
問われている。
お前だ!つまり私は問われています!
もしお前がつまり私が人間ならどうする!
生き物ならどうする!
この問いから逃げてはなるまい。
命に問い、命が答える。
自分の身震いに甘えるな、心を動かせ、身体を動かせ!
問いに問いつづけ、答えに答えつづけよ!問いと答えの動力を信じて
どこへでもいいから行っちまえ!行きたいところに行くがいい!無人の
アパラタスに、シャウトが怒号が響きます。
9年目はすでにのろのろと歩き出した。これからどんどんと足音を立て
て前進し、音も無く地の果てに行こうではありませんか!
勅使川原三郎
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