昨日、オペラ「オルフェオとエウリディーチェ」の最終日。連日素晴らしい公演だった。再演だったが、メインの3人の歌手が代わり、全体の調和が良くなった。ダンサーに旧知のハビエル アラ サウコが加わったのが大きく作品に力を与えた。もちろん佐東利穂子のダンスには魔的な純粋性、奇妙な言い方かもしれないが、事実、その身体的存在と透明な空気に新たな色彩や匂いを与える密やかで強烈な能力は、言葉では表せないだろう。私はバレエ好きのためやオペラファンのために、ましてやダンス好きのために作品を作らない。人の営みや表現は知識や観念で評価されるものではなく、過去から現在にもたらされた力、そしてつんのめりながら明日に向かう予想不能の力を得たいので行動している。勘違いのただの小さな冒険かもしれないが、自由な精神で試みつづける。まだ明確に歩む道が定まっていない若者のために、凝り固まった老者のために。「あの」オペラが過ぎ去り、目の前に「空耳」が広がっている。空も耳も広がっているのだ。
ホラホラこれがぼくの骨だと詩人が指差した地面に落ちている骨(私)が見る空だ。
最近のコメント
アーカイブ
カテゴリー
メタ情報



