時々日記 勅使川原三郎 2025.12.21

「空耳」公演は、今日を含めてあと2回。
新作を作る度に新たな冒険に出ていくような気分である、この作品はいままでのどの新作より不確かな創作過程であった。テーマが全く具体的になく、感覚だけの導きによって作られた。
数多くの音楽を準備して構成したが、照明はそれに無関係にデザインした。音楽に対する照明一つ一つの長さは決めなかった。なぜなら場面となるものが限定した意味を保たせたくなかったからだ。予期せぬことを準備するという矛盾こそ、創作の原点であり、自分が持つ空という、くう、から、そらの空の中身を形として表現せずに、作品を作る。それが創作。結果、2時間のソロ作品になった。そして思うに、この企みはうまくいったと思う。
今日も新たな「空耳」が現れる。
では後ほど、アパラタスで。

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