「ペトルーシュカ」について
生命を持たない存在、人格の無い存在、
人形の形式をとってはいるが、それは生命の反転にすぎないと私は考えます。
楽しませてくれる道化人形は、同時に人格否定が根底にある。
その恐怖は、見えない世界や人形の戯れではなく、現実そのものでもある。
人形ペトルーシュカは死ぬ。人形が死ぬとはどういうことか。
愛を受け入れてもらえず、愛に敗れたペトルーシュカの死。
裏返せば死んだ人形は、人間として生まれ変わるのかもしれない。
不可能な愛こそ、真実の愛により近いのではないか。
絶望感こそが、打ちひしがれた者に力を与えるのではないか。
愛は終わらない。
音楽は決して終わらない。
終わってはならない。
勅使川原三郎
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