Works / 活動紹介

7月の夜

構成・演出:勅使川原三郎
出演:勅使川原三郎、佐東利穂子
照明技術:清水裕樹(ハロ)
照明技術助手:井口貴春(ハロ)
音響技術:三森啓弘(サウンドマン)
主催:KARAS
提携:シアターX(カイ)
初演:2014年7月9日 東京・両国 シアターX(カイ)
ギャラリー
レビュー(抜粋)
月刊シアターX(カイ)批評通信 2014年9月  日下四郎氏
(前略)
その70分の持続は、五感の生んだ結晶そのものであり、かつ人間の孤独、閉ざされた環境という実存の状況を、同時に黙って焙りだしている。現代舞踊と名付けずして何であろうか。
ダンスマガジン 2014年10月号 岡見さえ氏
舞台を包む薄闇は踊り手の妙技を味わいつくそうとする視線を妨げている。
だが妨害によって感覚がその限界を知ると、欠如を補うように意識が鋭く研ぎ澄まされ、
普段は見えないものが見えてくる。
するとこの薄闇に重層的に折り畳まれていた時間、空間がほどけ、自在に動きだすのを私たちは知覚する。このとき、無限に変容し、私たちの視覚、聴覚、嗅覚、触覚を掻き乱しつつ魔術的なヴィジョンを次から次へと生成する夏の夜の神秘の探求である小説『七月の夜』が、劇場空間にありのままにその姿を表すのだ。
「だれもまだ七月の夜の地形図を書き上げた人はいない。心の宇宙の地理書はそれらのページを空白のままに残している」とシュルツは書いた。ことばによっても、文字によっても表出困難な世界を、勅使川原は奇跡的な舞踊の筆法をもって美しく書き上げたのである。