Works / 活動紹介

第2の秋

出演:勅使川原三郎、佐東利穂子
演出・振付・美術・照明:勅使川原三郎

音楽構成:勅使川原三郎
オリジナル・ノイズ:大石 明
写真・映像:佐東利穂子
 
演出・振付助手:佐東利穂子
舞台監督:黒澤一臣(OSK)
照明技術:清水裕樹(ハロ)
音響技術:三森啓弘(サウンドマン)
上演時間:60分

初演:2013年9月6日 東京芸術劇場 プレイハウス
主催: KARAS
共催:東京芸術劇場
助成:芸術文化振興基金
後援:ポーランド広報文化センター
人間や世界の外と内、そして間にあるもの
 
 「秋」は決して終わらないだろう、事物が空気の中で呼吸するだけなのだと私は感じとった。身を震わせている天使の肩に、天使よりももっとか弱い子がそっと止まって一緒に呼吸してあげる時間が描かれていると思った。か弱さと最大級の激しさが格闘する時だ。今、私は考える、シュルツは天使を見て書いていたに違いない、と。
 
 私は構想する。登場人物のまわりに漂う微妙な期待や不安がつくる温度の変化を基調に、どうしようもない激情を抑えきれない人間とそこに潜む、苦しむ天使のか弱さが交錯する。震える命が予感する現実との葛藤。か弱い者が世界を支えるという直感は、私にとっての最大の力になる。運ばれてくるものは勇気だ。
 
 鮮明で同時に不確かな喜びが、皮肉の中に成熟する。誕生し、困惑し、骨を砕き、響きわたる鼓動と沈黙の叫び、微かに取り戻す笑いが季節を再生させる。無表情の天使は未だに震えている。ダンスが生まれるのは、まさにそんな時なのだ。
 
勅使川原三郎
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