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Saburo Teshigawara Latest works 近年の主な作品

最新作

「ガラスノ牙」

glass tooth

ガラスの破片がつくる無数の光の反射は時間の破片
ぶつかりあい、躊躇し、矛盾が増幅する身体
始めは身体しかなく、次に自分と身体が重なり
そして身体が自分から離れる 得体の知れないモノが存在する
取り留めのないものに向かって手放しになって放り出されて
存在を危うくしてしまうモノ、放り出されて無抵抗のままにするモノ
切羽詰まった精神が身体を追い込む時、知らぬモノ同士が出会う
見知らぬ土地に現れる生命
時間を粉砕したガラスと意味を超えた溶け続ける身体

勅使川原三郎

出演:勅使川原三郎 Saburo Teshigawara
宮田佳 Kei Miyata
佐東利穂子 Rihoko Sato
吉田梓 Azusa Yoshida
ヴァスラフ・クーニェス Vaclav Kunes
ナターシャ・ノヴォトナ Natasa Novotna
ウルツィ・アランブル Urtzi Aranburu (NDTⅠ)
振付・美術・照明:勅使川原三郎 Saburo Teshigawara
衣装: 勅使川原三郎 Saburo Teshigawara 宮田佳 Kei Miyata
音楽構成: 勅使川原三郎 Saburo Teshigawara 宮田佳 Kei Miyata
音響: ニール・グリフィス Neil Griffiths
照明技術: セルジオ・ペッサーニャ Sergio Pessanha
振付助手: 佐東利穂子 Rihoko Sato
舞台監督:柴崎大 Dai Shibasaki


最新作「ガラスノ牙」でメインになるのは広範囲に渡るガラスの破片の集積です。そこでダンサーはガラスの破片とさまざまなコンタクトをとり、ガラスの硬質な質感と身体性との差異や違和感、そこから生じる生理的、身体的な感覚を体験します。
勅使川原にとって「ガラスの破片がつくる無数の光の反射は時間の破片」であり、この作品ではその感覚が身体に突き刺さり入ったときに生まれる内感を追求していきます。

「ぶつかり合い、矛盾し、差異が増幅する身体。意味を超えた時空が身体を震動させる。そして溶け続ける…」

「ガラスノ牙」はいくつかのパートによって構成される重層的な作品です。
作品中の舞台上にガラスが敷かれたシーンでは、勅使川原のソロも繰り広げられます。black water砕けたガラスの破片の上で踊る・・足の裏から感じる物理的な時の破片、光の破片、そこから生まれる人間の知覚と外的世界との関係。概念的な世界だけではなく、内側から生じる意識、感覚を触発するでしょう。

勅使川原のソロのほか、「Scream and Whisper」の中の「Whisper」*と呼ばれるパートも組み込まれます。これはKARASダンサーの佐東利穂子とヴァスラフ・クーニェスによる無音のデュエットで、一対の男女が囁きつづける作品です。即興で行われる無限の囁きは身体の動きに反映され、ある種、自己を解放し、また、他者を受け入れ、ある密接な空間を構築します。内的な感覚と、外界との関わり合い。互いの皮膚の上に交感する身体的な質感を観客も同時体験することとなるでしょう。
舞台からは様々な生理的、身体的、物理的感覚、ダンス言語が放出され、ひとつの作品として集約されます。しかし、それらに決して表現の帰結点があるのではなく、常に思考を積み重ねながら、未だ見えない先の世界へとさらに成長し続けていく作品となります。

勅使川原三郎の独創的なダンス哲学と、勅使川原のダンス言語を体現する秀逸なダンサー達によって創りあげられる、様々な質感が溢れ、絡み合う究極の世界です。

*佐東利穂子、ヴァスラフ・クーニェスが仏・伊ダンス雑誌「Ballet2000」2005年年間最優秀ダンサー賞を受賞

 

KARAS振付作品

black water

BLACK WATER (2006年)


勅使川原三郎を含めた3人のダンサーによる60分の作品。舞台装置も衣装もすべて黒で構成される舞台では漆黒が幾重にも重なり合い、底のない闇が溢れ出す。その世界に身体が置かれることによって見えないものが見えてくる。

2006年夏のイタリアでの滞在創作期間を経て、2006年秋、イタリア・フェラーラにて発表。

scream and whisper

SCREAM AND WHISPER (2005年)


2つのグループ作品と1つのデュエットからなる3部構成の作品。グループによる“叫び” の強烈なエネルギーとデュエットの静謐な“囁き”が対極を現す。
2005年マルセイユでの創作を経てローマにて初演。2006年1月リール(フランス)で改訂、再演。仏・伊ダンス雑誌「Ballet 2000」の2005年度年間最優秀ダンサー賞(佐東利穂子、バスラフ・クーニェス)を受賞。現在世界ツアー中。
“精緻な動き、照明の芸術性・・・これは奇跡的な作品である。・・・(そのデュエットは)勅使川原の振付家としての才能を最大限に体現した” El Pais 紙(スペイン)
“ダンサー達は強さと滑らかな流動性が混じりあった「液体の彫刻」に変容する” La Vanguardia 紙(スペイン)

kazahana

KAZAHANA (2004年)


『風花』とは、「晴天に風と共にちらちら降る雪」の意味。
勅使川原三郎のユニークな時間感覚と卓越した美意識を、魅惑的な舞台装置の中で、密度の濃いダンスにより空間化。美の儚さと究極の強度がダンサーの身体をメタファーとして、観る者を純粋なダンスに導く。勅使川原の高度な振付技法の、本質的な部分に触れる事が出来る、9人のダンサーによる90分の作品。2004年リールにて創作、初演。2005年2月新国立劇場(東京)にて改訂初演。現在世界ツアー中。
“・・・いつしか時間と空間の座標軸が揺らいできて、踊っているのはダンサーではなく、見ている当方の感覚なのではないかという気がしてくる。上質のダンスに溺れて時空の波間を遊泳した1時間半だった” 佐々木涼子氏/朝日新聞
“彼はダンスを空間の彫塑と捉えているのだろうか この作品は我々の記憶という大理石に刻まれた” Midi Libre 紙(仏)

bones in pages

BONES IN PAGES (改訂版 2003年)


オリジナルは、1991年フランクフルトのTAT (Theater Am Turm)で創作し、初演時にはミュンヘン舞踊批評家協会賞を受賞。おびただしい数の本や靴など様々な物から成る自身が製作したインスタレーション『Dance of Air』の、生きた烏のいる空間で踊る。2003年秋、10年余の時を経てフランス・カーンにて改訂、宮田佳と佐東利穂子も出演する作品として再構成された。国内では2005年に神奈川県立青少年センターホール、まつもと市民芸術館、山口情報芸術センターにおいて公演。2006年7月、NYリンカーンセンター・フェスティバルにて公演。
“この芸術家の身体は、まるでオブジェのようだ。あらゆる精神が、高度な緊張の中にある。勅使川原は相反する事象を体現する;オブジェとイマジネーション、物質的空間と空気の幻想・・・、それは無限を暗示させる” Frankfurter Allgemeine Zeitung 紙(独)

green

GREEN (2003年)


新国立劇場(東京)で発表した「Raj Packet-everything but Ravi」(2000年)、「Raj PacketⅡ」(2002年)を、新たに「GREEN」と題し2003年モンペリエ・ダンス・フェスティバルのために改訂。勅使川原三郎、KARASのダンサーに加えて、動物達が舞台に現れ、英国のロックバンドSANDが織り成す迫力のライブサウンドが牧歌的な緑の舞台に流れる。「Raj Packet-everything but Ravi」は日本舞踊批評家協会賞、ニムラ舞踊賞を、「Raj PacketⅡ」は朝日舞台芸術賞を受賞。現在世界ツアー中。
“最後の場面は忘れ難い。・・・そこでは、牧歌的な情景の中に、見えない緊張感が漂い、我々のリアリティに対して感動的なメッセージを投げかけている。それは世紀末における勅使川原三郎からの祈りであった” Ballet International/Tanz actuell 誌(英・独) 立木燁子

luminous

LUMINOUS (2001年)


勅使川原三郎とKARAS、そしてロンドンでの教育プロジェクトS.T.E.P.2000に参加していた盲目の青年ダンサー、スチュアート・ジャクソンと英国人俳優エヴロイ・ディアが出演。
光と音とまわりを取り囲む環境との関係性において、人(身体)はどのように知覚し変容していくのか、それは光の反射や音の共鳴によって多重な空間を創り出す仕組みの舞台装置によっても追求された。2001年Bunkamuraシアターコクーン(東京)初演、同年度朝日舞台芸術賞受賞。Aarhus Festival(デンマーク), Festival d’Automne à Paris ; Maison des Arts de Créteil, La Filature à Mulhouse(フランス), Het Muziektheater in Amsterdam(オランダ)との共同製作。
“影と光の織り成す効果によって、勅使川原はユーモアや美、驚きを描き出した。偉大な芸術作品である” Figaro紙(仏)
“審美的心象は、ムーヴメントの極致、精神の透力性を強く描き出していた” Politiken 紙(独)

LIGHT BEHIND LIGHT (2000年)


2000年5月初演。スウェーデン・ストックホルムのDansens Husの依頼により本作を創作、初演した経緯には、ノルウェー、フィンランドの劇場も含む“スカンジナビアでソロの新作を”との要望があり、北欧の音楽も用いている。光とその裏側との間の淡くも美しい世界が繰り広げられる。
“光の波のようである。光が閃き、影を放つ” Dagens Nyheter紙(スウェーデン)
“これは光を掴み取るダンスだ。勅使川原は他を寄せつけない踊りでそれをとらえるのでのである。水晶のように透明でなめらかに流れ、自然のようにはかなくもあり、強くもある” Svenska Dagbladet 紙(スウェーデン)

absolute zero

ABSOLUTE ZERO(1998年)


1998年、世田谷パブリックシアター(東京)にて創作、初演し、1999年同劇場で改訂、再演。その後ヨーロッパツアーでは、驚異的なダンスと高度で綿密な美意識が絶賛された。到達不可能な[絶対零度]-完全なる静止。その先に何があるのか、敢然と<はじまり>に向かい、無限に流れ挑戦し続けるダンス。勅使川原の鋭く空間を切り裂き、回転し、次の瞬間には空気の中に溶け入るソロと、宮田との静謐なデュエットが堪能できる3部構成。
“偉大なるダンスの瞬間” Figaro 紙(仏)
“90分間、ずっと魅了されてしまった。普通ならば単純な身体運動実験となったかもしれないことが、勅使川原の幻惑的な魔法によって、珠玉の舞台空間となり、心に残る旅のようでもあった。全ての中心に、彼の凝縮された優美さがあった” Independent 紙(英)

CHOREOGRAPHY WORKS FOR OTHER COMPANIES 他カンパニーへの振付提供作品


AIR (2006年/2003年)

パリ・オペラ座バレエ団より招かれ、振付、創作し、2003年2月ガルニエ宮において初演。2006年の再演に際しては、再び勅使川原の独自の身体訓練による長期のリハーサルを行い一部改訂。舞台美術、照明、衣装も手掛け、ジョン・ケージの音楽を用いた4編のシーンが綴られる。同バレエ団の美しく静謐なレパートリー作品として評価が高い。
“身体は空気と戯れ、ゆるやかに揺れ・・エレガントな曲線と描き続ける。・・(ダンサーは)思考と運動、音楽と呼吸の間に存在する不可分な絆を目に見える形で表現した” Le Figaro 紙(仏)
“「AIR」は紛れもない現代の傑作である” Ballet-dance.com
“「AIR」は自由と束縛の間で呼吸する瞬間・・・フォルムが変容すると、そのまわりにある空気までも同時に動く” La Voix du Luxembourg 紙(ルクセンブルグ)
“パリ・オペラ座のもつ珠玉のレパートリーに、見事仲間入りを果たしたと言えるだろう。・・・ダンスはこれほどまで にも見事でありえるのだ” Die Welt 紙(独)

VACANT (2006年)

2006年5月、ジュネーブ・バレエのために創作、初演。舞台美術、照明、衣装も手掛ける。“躊躇”をテーマに不確かなものに対する身体性と思考性を深く追求した作品。
“観客は全く異なる宇宙を発見した。・・・ゲオルク・リゲティの多彩な曲目に彩られながら、鮮烈で創造的な振付作品に仕上がっている” Tribune de Geneve 紙(スイス)
“勅使川原三郎は観る者を奈落の底に落としいれようとする。けれども、落下寸前に我々を引き上げる, 突然、身体は解放され、軽やかさが蘇る。瞬間の優美。苦しみから掴み取るハーモニー“ Le Temps 紙(スイス)

PARA-DICE (2002年)

2002年3月、ジュネーブ・バレエのために創作、初演。照明、衣装も手掛ける。勅使川原の振付作品の中で珍しく舞台装置がなく、照明の美しさと振付の純度がシンプルで力強い世界を作り上げた作品。同バレエ団のレパートリー作品として現在世界ツアー中。
“限りない優しさに溢れた作品。我々はいまこの瞬間に触れ、抱きしめる。同時に、はかなく過ぎ去る瞬間に深く心打たれる” Le Temps 紙 (スイス)

MODULATION (2000年)

2000年3月、イリ・キリアンからの招聘に応え、ネザーランド・ダンス・シアターIのために創作。舞台美術、照明、衣装も勅使川原の手による。
“我々がまだ見たこともない神秘的で崇高な世界があることを、勅使川原は教えてくれる” Frankfurter Allgemeine Zeitung 紙(独)

春の祭典LE SACRE DE PRINTEMPS (1999年)

1999年12月バイエルン国立歌劇場バレエ団のために創作、初演。勅使川原の解釈による 「春の祭典」は、ダンサー達の身体と動きの変容を表現しながら、深く果てしない、音楽のリズムに焦点があてられた。世紀末からミレニアムへと架かる1999~2000年のシーズン・レパートリーとして、バイエルン国立歌劇場(ミュンヘン)において上演された。
“「二十世紀の古典」に痛烈な一撃” 日本経済新聞、“特に敬意を表したいのは、ヨーロッパで二番目に大きい国立劇場の舞台を、たった14人のダンサーで充分に満たしたことである” ダンスマガジン
“身体の心から湧き上がる緊張と反復される動きは生命へのメタモルフォーゼを思わせる” Explodierende Lebenskraft 誌(独)

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