2019年5月3日

2016年4月29日シアターΧ「シナモン」 (144)のコピー
2016年4月29日シアターΧ「シナモン」-182
 
昨日は「シナモン」の5回公演の初日でした。
3年ぶりの再演、シアターXには大勢の観客の方々が来場してく
ださいました。
私は小説からダンスを作る経験を長く積んできましたが、言葉の
世界から原作の抜粋の朗読を用いる方法も独自のやり方で編み出
しました。
言葉と身体存在そして動き、言葉と音楽、言葉と照明の関係が複
雑に正しく絡むことによって表出された内容こそが作品だと考え
ます。
ダンス作家の私の精神と原作者であるシュルツの精神が正しく出
会っていないなら「創作」とは言えないでしょう。
もし創作の喜びを語るとすれば、出演者の身体存在が明解で、動
きを生み出させるのは言葉と正しく向き合う時にしかありえない
ことを知る喜びであると言えます。「シナモン」には様々な喜び
が散りばめられていますが、ご覧になる方のそれぞれの内側に湧
き上がる独自の感情的冒険をしてそこに何かしらの開かれる世界
があればと思います。
公演は劇場にいた全ての方々の結晶、喜びの表情があふれていま
した。
今日は「シナモン」公演の2日目です。
ぜひ両国のシアターX(カイ)にご来場ください。
                       勅使川原三郎
                     [メールマガジンNo.1337より]

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